ペットを飼っている方が長期で家を空ける場合、必ずしも友人や親戚に預けられるとは限りません。そんな時にペットを預かってくれる施設が「ペットホテル」です。ペットホテルはその名の通りペットのためのホテルで、動物病院が運営しているホテルや、ホテル営業専門の施設など、その形態やサービス内容は様々です。今回は犬と猫向けのペットホテルを対象に、より良いペットホテルを探す際のポイントをご紹介します。
1.ホテルによって受け入れてくれる条件が異なる
ペットホテルによって受け入れ可能なペットは異なります。これは個室の広さやペット自身の健康面、他のペットとの兼ね合いから判断されるもので、スタッフの判断によっては預けることができない犬種や猫種があります。
ドーベルマンや秋田犬といった犬種で制限を設けているホテルもあれば、50kg以上の大型犬は一律不可といったようにサイズで線引きしているホテルもあります。また、年齢によって制限を設けているホテルもあります。生後半年未満もしくは高齢の場合には体調が急変することもあるため、受け入れを拒否される場合があります。
1-1.その日の状態によっては受け入れ不可になることも
普段は預かってもらえる子でも、お泊り当日に何らかの病気や感染症を患っていたり、発情期や出産間近だったりする場合には預かり不可、もしくは別料金を設定しているホテルもあります。このような状態でもどうしても預けなければいけない事情がある場合には、獣医師と連携しているペットホテルを選ぶと安心です。ペットの性格に関しても、威嚇行為や噛み癖などお店のスタッフが受け入れ困難と判断した場合には断られることもあります。
預け入れ直前にペットホテルを探すと、受け入れ可能なペットホテルが見つからない事態も考えられます。普段から近くのペットホテルを検索しておき、もし余裕があればお試しでショートステイなどに挑戦しておくのが賢明です。
2.ワクチン接種歴に注意
信頼できるペットホテルほど、受け入れの条件としてワクチンの接種は必須となります。預ける側としても、一緒に過ごす他のペット達がしっかりワクチンを接種していると安心ですよね。
該当するワクチンは、主に狂犬病(毎年1回)と混合ワクチンです。狂犬病のワクチンを接種したことがわかる鑑札の提示や、混合ワクチンを接種したことがわかる直近の書類を求められる場合もあるため、事前に用意をしておく必要があります。
また、ペットホテルでは複数のペットが一緒に過ごすため、ノミ・ダニ対策も欠かせません。万が一ノミ・ダニが見つかった場合には、拡散を防ぐために有料で処置をしてくれる場合がありますが、ペットのためにも普段からよくチェックしてあげましょう。
3.お泊りの延長が可能か否か
ペットホテルに預けたものの、どうしても事前に申し込んだ日程内で迎えに行けない事態も起こりえます。例えば、旅行で預けたものの帰りの交通機関が予定通りに動かなかったり、お見舞いの予定が長引いたりなど、様々な理由が考えられます。
そうした事態を想定し、時間外のお迎えや急なお泊りの延長をお願いできるかどうかを確認しておきましょう。サービスが充実しているペットホテルや、空港や住宅街からアクセスが良い人気のペットホテルでは、次にお泊りしたい別の方の予約で個室が埋まっていて、延長ができない可能性もあります。
もし延長が可能だったとしても、急な預かりの延長は通常の料金に比べて割高となったり、次の予約との関係で異なる広さの個室に変更となったりすることもあります。万が一の事態を考慮して、延長の可否や料金が予算の範囲内に収まるかどうかなどを調べておきましょう。
4.お泊り中の過ごし方や設備をチェック
規模の小さいペットホテルでは基本的に個室で過ごし、日に何度か外へお散歩に出るというスタイルが多い一方で、最近ではドッグランやフリースペースを設けて、就寝時間以外は他のペット達と自由に過ごすというスタイルも増えてきました。ペットが普段と異なる環境でストレスなく過ごせるかどうか不安な方は、事前にお試し体験をしておくと良いでしょう。滞在中は24時間カメラで現在の様子を確認できるホテルや、定期的に写真を送って報告してくれるホテルもあります。
ペットホテルによっては、滞在中にトリミングや健康診断、マッサージを行ってくれるサービスもありますので、預けるのに安心できる環境はもちろん、こうした付加価値でペットホテルを選ぶのも良いでしょう。
4-1.滞在中の食事
飼い主さんによっては、お泊り中のご飯が心配と言う方も多いかと思います。多くのペットホテルでは、基本的には揃って同じ食事を提供されます。しかし、急に食事の内容を変えるとお腹を壊しやすくなる子や、慣れない環境では緊張して食が進まない子もいます。
ペットホテルによって対応可能な範囲は様々で、ご家庭の方針や栄養指導の状況によってご飯の種類や量を調整してくれる、事前に預けておいた飼い主の手作り食を提供してくれる、ホテル側がその子に合わせて手作りをしてくれるといった対応が考えられます。食事の時間や回数についても、要望があれば普段の生活に合わせてくれる場合があります。
食事は元気の源です。もしご自身のペットが食事に関して神経質な傾向があるなら、どこまで臨機応変に対応してもらえるのか事前に確認しておきましょう。
4-2.ペットホテルの営業には登録が必要
ペットホテル業者は、必ず「第一種動物取扱業」の登録をする必要があります。具体的には、様々な要件を満たした上で都道府県知事や政令市の長に申し出て登録し、これを5年ごとに更新していきます。きちんと登録をしているペットホテルには、店内に必ず「第一種動物取扱業」登録証が掲示されているはずなので、信頼できるペットホテルか否かの判断材料のひとつとしましょう。
5.まとめ
今回はペットホテルを探す際の注意点についてまとめました。家族の一員であるペットには、普段と異なる環境であってもできる限り快適に、ストレスなく過ごせるようにしてあげたいとお考えの方がほとんどだと思います。飼い主としてできることは、いろいろな視点からペットに合う安心安全なホテルを選択することです。そのために、今回の記事がお役に立てれば幸いです。